理屈ではない何か

小説を読んでいると登場人物が泣くという場面が時々出てくる。
悲しくて泣く。辛く苦しくて泣く。嬉しくて泣く。これらはよくわかる。だが中には何故そこで涙を流すのかがわからないものにも出会うことがある。しかし、そういった場合でもその人物が泣いたそのこと自体は理解できたりする。その場面でその人物が泣くのは理解できる。だが泣く理由はというとよくわからない(当然だがこれは現実にもある)。
とても不思議なことだと思う。理屈は説明できない。言葉にならない。でもわかるのだ。人間の高等な能力だと思う。凄い。
しかし、本当に凄いと感じるのはそういう場面を書く著者。