あの日の思い出

世界バスケが終わった。
日本開催だったにも関わらず他のスポーツに比べて注目度が随分と低くて残念だった。バスケは何故かあまり盛り上がらない。斯く言う私も4年前の世界バスケで盛り上がっていたかというと、そんなことは全然なかったわけだが。


私は中学の時バスケ部だった。ちょうど、あの超絶的な人気を誇っていたバスケ漫画が連載されていた時期だった。小学校から中学校へ上がるとみんなこぞってバスケ部に入部した。だから、新入部員は20人以上いたような気がする。しかし、すぐにボールなど触らせてもらえるわけもなく、初っ端から厳しい筋トレやランニングをひたすらさせられ、更には、こういうところには大抵一人や二人はいる陰険な先輩のいじめなどで新入部員は見る間に減っていった。残ったのは10名もいなかった。どういうわけか私もその中にいた。
1年の最初の半年間はろくにボールを触らせてもらえなかったように思う。半年どころではなかったかもしれない。来る日も来る日も基礎トレーニングに勤しみ、最後に体育館を掃除して帰った。
2年の頃はボールを使って練習した。それでも、基礎トレはいつもあったし、最後に行う試合形式の練習に出させてもらえることはあまりなかった。3年生が引退した夏からは少しはやらせてもらえたように思う。私は当時から背が小さかった。だから、バスケをやるには当然不利だった。それでも、ガードのポジションを得ようと一生懸命だった。背が高くセンスのある同期の友人がいた。彼は同期で一番うまかった。私は練習後、彼に1対1を挑んでいつも惨敗した。それが悔しくて仕方がなかった。
3年。最後の大会だっただろうか。私は試合の後半、監督の先生に告げられスターティングメンバーの友人と交代した。とにかく、自分の全てを出し切ろうと必死だった。
今でも鮮明に覚えている。仲間が敵のパスをカットし、実力一番の彼にボールが渡った。私はコートの中央から左サイドへ走っていた。背後からの彼のパスが私へ通る。ワンドリブル、ツードリブル。レイアップ。


ネットが揺れた。


ところで、私の世代で知らぬ者のいないであろう例の漫画だが、当時私はそれをほとんど読んでいなかった。周囲の異常なほどの盛り上がりに読む気が失せていたのだと思う。最初から最後まできちんと通して読んだのは大学の4年の頃。涙が出るほど感動した。中学の時に読んでおけばよかったかなと思った。


さて、今回の世界バスケはスペインがギリシャに大差をつけて勝利したわけだが、優勝したそのスペインの選手達が喜び抱き合いながら「日 ● 本」と書いた鉢巻を締めていた。 1/2 の確率でそれは逆さまだった。
まあ日本の国旗は線対称だからねー…って、文字の上下くらい判れよ(笑)