太陽風

太陽からは風が吹いている。ぷぅ。
太陽風(solar wind)と呼ばれている。地球上の風は空気の流れだが、太陽風は荷電粒子(電気を帯びた粒子)の流れである。主に水素イオン(陽子)と電子。これは太陽の大気が太陽表面から噴き出してきたもので、地球の辺りでは秒速400kmもの猛スピードで吹き抜けている。フレアという太陽表面での爆発が起こったときには秒速1000km以上になることもある。地球上の風は大きな台風がきたときでも秒速30m(単位に注意!)とかだから、アホみたいに速いというのがわかるだろう。
じゃあ、これがものすごい暴風なのかというと地球の暴風とは感覚が全然違う。なぜなら太陽風の粒子の1cm3あたりの個数(数密度という)が地上の空気に比べて極めて少ないからだ。地球の空気の数密度は大体1019個/cm3であるのに対し、太陽風は地球の辺りでは1個/cm3程度。つまり、すかすか!ほとんど何にもないみたいなものなのだ*1
さて、そんな高速ですかすかの太陽風は地球の磁場と相互作用して間接的に地球の周りを回る人工衛星の機能に悪影響を与えたり、オーロラの原因になったりするのだが、その話はまたにしよう。

*1:真空パックなんてこれよりも断然粒子の数が多くて全然真空じゃないってもんだ。