2015年に読んだ小説

2015年の読書メーター
読んだ本の数:29冊
読んだページ数:9720ページ
ナイス数:257ナイス

天冥の標IX PART1──ヒトであるヒトとないヒトと (ハヤカワ文庫)天冥の標IX PART1──ヒトであるヒトとないヒトと (ハヤカワ文庫)感想
(★★★★☆)前巻から話が落ち着いてくるのかと思いきや,新たに明かされた事実によって文字通り再び世界が加速するとは! そうした世界の進行と並行して描かれる,ヒトと元ヒトとヒトでないものたちとの共存・愛情のあり方というテーマもみどころ。どうするんですか,ダダーさんよ。
読了日:12月31日 著者:小川一水
面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録感想
(★★★☆☆)メディアワークス電撃文庫の編集者 三木さんの仕事論。言われてしまえば“当たり前”とも思えるが、それを自身で体系化し明文化し実践し、何より結果を出している人の言葉は重い。めちゃめちゃ仕事してますねm(_ _)m 元気と勇気をくれる一冊。
読了日:12月29日 著者:三木一馬
ソードアート・オンライン プログレッシブ (4) (電撃文庫)ソードアート・オンライン プログレッシブ (4) (電撃文庫)感想
(★★★☆☆)第五層攻略。じわじわと活発化するラフコフ。軽率アスナに,はらはらさせられ手に汗握る。しかし,まだ五層にしてアスナとの親密度隠しパラメータが上がりすぎではないのか。そしてどれだけ続くんだこれ。また来年。
読了日:12月13日 著者:川原礫
死者の村の少女―サーラの冒険Extra (富士見ファンタジア文庫)死者の村の少女―サーラの冒険Extra (富士見ファンタジア文庫)感想
(★★★☆☆)
読了日:11月15日 著者:山本弘
新ロードス島戦記〈6〉終末の邪教〈下〉 (角川スニーカー文庫)新ロードス島戦記〈6〉終末の邪教〈下〉 (角川スニーカー文庫)感想
(★★★☆☆)
読了日:11月11日 著者:水野良
新ロードス島戦記(5) 終末の邪教(上) (角川スニーカー文庫)新ロードス島戦記(5) 終末の邪教(上) (角川スニーカー文庫)感想
(★★★★☆)
読了日:11月10日 著者:水野良
新ロードス島戦記〈4〉運命の魔船 (角川スニーカー文庫)新ロードス島戦記〈4〉運命の魔船 (角川スニーカー文庫)感想
(★★★☆☆)
読了日:11月8日 著者:水野良
新ロードス島戦記 (3) 黒翼の邪竜 (角川スニーカー文庫)新ロードス島戦記 (3) 黒翼の邪竜 (角川スニーカー文庫)感想
(★★★☆☆)ヴェイルとボイドの会話がハイライト。あと,邪竜ナースのやる気なさっぷりがかっこいい。
読了日:11月5日 著者:水野良
新ロードス島戦記〈2〉新生の魔帝国 (角川スニーカー文庫)新ロードス島戦記〈2〉新生の魔帝国 (角川スニーカー文庫)感想
(★★★☆☆)ロードス各国歴訪ほか,いくつかのクエストをこなす感じ。必見は砂走りの秘密(笑)
読了日:11月1日 著者:水野良
新ロードス島戦記〈1〉闇の森の魔獣 (角川スニーカー文庫)新ロードス島戦記〈1〉闇の森の魔獣 (角川スニーカー文庫)感想
(★★★☆☆)新戦記は途中まで読んだ記憶があったが,読んでみると内容全然覚えていなかった。しかも,当時,旧戦記にくらべていまいち感があった気がしていたのだけど,今読むとそんなこともないじゃないか! と。やっぱりフォーセリアはいいなぁ。
読了日:10月25日 著者:水野良
新ロードス島戦記 序章―炎を継ぐ者 (角川スニーカー文庫)新ロードス島戦記 序章―炎を継ぐ者 (角川スニーカー文庫)感想
(★★★★☆)電子版が安売りされていたので十数年ぶりに再読。旧戦記と新戦記をつなぐ4つの短編。旧戦記本編でも登場したナルディアには,もっと活躍してもらいたかった,と当時思ったことを思い出した。
読了日:10月17日 著者:水野良
ソードアート・オンライン (16) アリシゼーション・エクスプローディング (電撃文庫)ソードアート・オンライン (16) アリシゼーション・エクスプローディング (電撃文庫)感想
(★★★☆☆)仮想世界に生きる人々の戦い。長くて長いアリシゼーション,冒頭から2/3は「巻いて!」って思いながら読んでいたが,アスナ様が降臨してから俄然集中力アップ(笑)。SAO全体の核心にも迫りつつ(?)次巻へ期待。
読了日:9月20日 著者:川原礫
きみは赤ちゃんきみは赤ちゃん感想
(★★★★☆)芥川賞作家による妊娠出産・子育てエッセイ。前半の出産編は,コミカルな表現に笑わされるも(当人は地獄なのであろうが),後半の産後編はたいへんなことになっている(苦笑)。ホルモンのなせる技といえばそうなのだろうけれど,元来,シンジ君も真っ青な内罰的性格もあるのではなかろうか。しかし,つくづく妊娠・出産というのは過酷なできごとである。
読了日:7月11日 著者:川上未映子
愚者のエンドロール (角川文庫)愚者のエンドロール (角川文庫)感想
(★★★★☆)
読了日:7月1日 著者:米澤穂信
氷菓 (角川文庫)氷菓 (角川文庫)感想
(★★★★☆)
読了日:6月28日 著者:米澤穂信
ビッグデータ・コネクト (文春文庫)ビッグデータ・コネクト (文春文庫)感想
(★★★★☆)
読了日:6月24日 著者:藤井太洋
歌うクジラ(上) (講談社文庫)歌うクジラ(上) (講談社文庫)感想
(★★★☆☆)
読了日:6月3日 著者:村上龍
ぼくのキャノン (角川文庫)ぼくのキャノン (角川文庫)感想
(★★☆☆☆)かつて軍が配備した大砲が鎮座する村。沖縄一豊かだが,その大砲を「キャノン様」と崇める,どこかしら謎めいたその村の秘密が明かされていく。なぜだか読み続けるのが難しく,途中何度も中断してようやく読み終えた。3人組の少年少女視点の展開にノスタルジーを感じさせる。が,村の秘密に差し迫っても,なんだか盛り上がれずに終わってしまった。
読了日:5月27日 著者:池上永一
Avalon 灰色の貴婦人 (MF文庫J)Avalon 灰色の貴婦人 (MF文庫J)感想
(★★★★☆)映画『Avalon』の後日譚(?)。非合法の完全没入型MMORPG〈アヴァロン〉を舞台とした近未来SF。現実世界の荒廃ぶりや、アヴァロン内の極めて“リアル”な情景描写が素晴らしく、読んでいてまさに没入する。〈灰色の貴婦人〉なる超戦士と〈未帰還〉のビショップの謎を追いかける終盤が熱い。ただ、白熱のクライマックスを越えたラストは、もう一歩その先を見せて欲しかったというのが正直なところである。
読了日:5月16日 著者:押井守
銀盤カレイドスコープ〈vol.6〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)銀盤カレイドスコープ〈vol.6〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)感想
(★★☆☆☆)響子とドミニクの苦悩と苦闘。響子はともかく,ドミニクの憎しみの感情が盲目的すぎて辟易してしまう。はい,つぎー。
読了日:4月29日 著者:海原零
機巧のイヴ機巧のイヴ感想
(★★★★★)江戸に似た時代背景に,噂の遊女・伊武。はたしてその正体は人間と区別のできない「機巧人形」…だと…? もうその設定だけでご飯3杯はいける。その時代錯誤SFとでもいうべき異色の雰囲気に酔いしれた。短編連作ミステリーで,人とは何かという定番テーマを織り込みつつ,次第に登場人物のつながり,世界の(怪しげな)しくみが見えてくる展開が圧巻。どの話もひっくり返してくるし! ともかく,“碁盤”をかばう伊武が愛くるしい(そこ?)。そして,各話の表題以外に片仮名が一語も出てこないところもまた。精巧な物語!
読了日:4月12日 著者:乾緑郎
新装版 ロードス島戦記 7    ロードスの聖騎士(下) (角川スニーカー文庫)新装版 ロードス島戦記 7 ロードスの聖騎士(下) (角川スニーカー文庫)感想
(★★★★★)シリーズ最終巻にふさわしい壮大なラスト。物語は終わりだが,登場人物たちそれぞれにとってはまた,始まりでもある。そう描かれているのが素晴らしい。後のクリスタニアとのつながりとか,今思うと懐かしいなぁ。善だの悪だのと割りきれるものでもなく,どのキャラの振る舞いにも説得力があってとてもよい。あと,TRPG感もすごく伝わる。懐かしいなぁ。
読了日:3月22日 著者:水野良
薫香のカナピウム薫香のカナピウム感想
(★★★★☆)地上40メートル,熱帯雨林の樹上で人々が暮らす世界。遠い昔に高度な文明が衰退した後の時代という,大好物の設定が嬉しい。「香り」で表現される熱帯雨林の濃密な大気が,圧倒的な存在感で視覚に現れる。すごい。一人の少女がたどる苦難の旅から世界の秘密が少しずつ明らかになる展開にわくわくする。そして,人類の文化や人類そのもののあり方・存在意義に対する問いかけに悶絶した。このあたりは,さらにもう一歩じっくり掘り下げて欲しいので,続編や前日譚を是非!
読了日:3月10日 著者:上田早夕里
グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)感想
(★★★★☆)零と雪風が“覚醒”。人類のアイデンティティーを問うた前作からさらに進み,「自己」とは何かという禅問答が今回のテーマか。状況が大きく動く,異星体ジャムとの戦闘の場面は,雪風との駆け引きも相まって緊張感満点で,思わず息を止めて読み進めた。得体の知れない異星体ジャム・戦闘知性体(人工知能)の雪風・人間 深井零大尉というグラデーションを通して,「自己」とは何か,人が人たり得るのはなぜか,を考えさせる展開に呻る。あと,雪風かわいい(ミギーかわいい的に)。
読了日:3月3日 著者:神林長平
My Humanity (ハヤカワ文庫JA)My Humanity (ハヤカワ文庫JA)感想
(★★★★☆)SFとはつくづく「人間」を問う物語である。短編4編からなるこのMy Humanity。疑似神経制御言語による人格の補完技術,人の知性を超えた超高度AI,自己増殖し人の制御を離れてしまったナノマシンと,その超テクノロジーに心をくすぐられないわけがない! しかしやっぱり物語の根幹は,それら超テクノロジーを介して描かれる「人間性」。4編通して,えも言われぬ絶望感や後味の悪さがしみ出すような物語であるのに,どれもこれもが,ぐっと心を惹きつける。長谷氏が描く絶望的な物語は,とてもよい。
読了日:2月16日 著者:長谷敏司
ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)感想
(★★★★☆)ドラマで見たので,栞子さんのイメージが頭の中で混線…。それはともかく,乱歩を題材として開かずの間,じゃない金庫やら隠しなんとかやらとナゾトキ要素が盛りだくさん。ギミックのみならず登場人物たちが織りなす二重三重に絡んだ謎に,まだあるのか! と追い打ちをかけられる。しかし,三上氏はどれほど乱歩を調べまくったのだろうか。
読了日:2月14日 著者:三上延
ネクロポリス 下 (朝日文庫)ネクロポリス 下 (朝日文庫)感想
(★★☆☆☆)上巻の感想で,「(ファンタジーとミステリーが)下巻でうまく融合することを期待」と書いたが,こんな「融合」の仕方をするとは…。やっぱりどうしても,とりとめのなさを感じてしまい,ラストも「それじゃあ今までの話はなんだったの!」と言わざるを得なかった。無念。
読了日:1月12日 著者:恩田陸
ネクロポリス 上 (朝日文庫)ネクロポリス 上 (朝日文庫)感想
(★★☆☆☆)故人と再会できる「アナザー・ヒル」で起きた殺人事件(?)の犯人捜し。日本とイギリスを足したような文化をもつ「V.ファー」なる国の妙な空気感は興味深い。けれど,故人が現れるとか,怪奇現象が普通に起きるとかといったファンタジー部分と,殺人事件の犯人は誰だとか,あいつが怪しいといったミステリーの話があっちへ飛びこっちへ飛びして足場が定まらない感じ。下巻でうまく融合することを期待。
読了日:1月4日 著者:恩田陸
生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
(★★☆☆☆)北海道根室沖の石油採掘施設で,出血熱様の奇病によって職員が全滅。そこから端を発する未曾有の危機が日本を襲う。冒頭から緊迫感満点で,その後のミステリーっぷりにドキドキ感が募る。が,真相に触れたところで,それはさすがに痕跡が残るでしょ,と思わざるを得ず,冬の北海道でそれは…などなど,核心部分から細部に至るまであれやこれやが許容できず。終盤はもうB級映画的コメディとなってしまった。。前半はいろいろと緻密に描かれていただけに残念。
読了日:1月3日 著者:安生正

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