旭山動物園は曇り後雨 其の参

(旭山動物園は曇り後雨 其の弐 のつづき)
となりの総合動物舎にはダチョウ・エミューペリカン・サイ・キリン・カバがいる。以前来たときにはダチョウとエミューは仲が悪くて隔離したと表示されていたが、今回は一緒にいた。仲直りしたのだろうか。ペリカンはただそこにいた。サイはやっぱり迫力があった。ずずーんずずーんと歩いていた。肌硬そう。
お腹が空いたので、売店で骨付きフランクとカツサンドを買ってほおばった。特に骨付きフランクは美味だった。追加でもう一つ買って食べた。
ハシボソガラスがいた。その辺を飛んでいたとかではなく、ちゃんと飼育されていた。北海道でその辺にいるのはハシブトガラス。その名の通りくちばしが細い、太いの違いがある。それ以外の違いは知らない。
総合動物舎にいるカバを見てみたが、水槽の真ん中でこちらに尻を向けてぷかーっと浮かんだまま身じろぎもしない。生きているのか、死んでいるのか。
さる山へ。サル達はひたすら棒の付いた缶やくるくる回る筒をがこんがこん振ったり回したりしていた。餌が少しずつそこから出てくるわけだ。こぼれ出てきた餌をかき集めて貪っていた。他のサル達は山を走り回っていた。よく落っこちないものだ。崖ぎりぎりに座って尻がむずむずしないのだろうか。しないのだろうが。
もぐもぐタイムになって飼育員がりんごを腐葉土?に埋める。遠巻きにそれを見ていたサルは飼育員が他のところへ行くと、そこへ走り寄ってきてりんごを探して土を掘り返していた。なかなか見つけられないでいると、そいつの後ろで掘っていたやつがりんごを見つけ出して持ち逃げ。そのことに気づいていない最初のサルは「おかしいなぁ?」といった風にあちこち掘り返し、終いには諦めてしまった。不憫な奴。
最近できたというチンパンジーの森に入った。その時間はチンパンジー達は建物内にはおらず、外の「森」にいた。あるチンパンジーは透明な筒状の通路の上にどっかり腰を下ろして筒内の人間からじろじろ人間に見られていた。
まだ生まれたばかりの赤ん坊を抱いたチンパンジーも窓のすぐ横にいてじっくり見られた。その様子は人間とほとんど違いがない。母親に抱かれた赤ん坊はちょっと毛深いくらいで、「これは人間だなぁ」と思った。
外から森を見ていると、飼育員が餌を巻いていて、地面に落ちた餌を口にも手にもいっぱい集めて回っているチンパンジーが滑稽だった。(つづく)